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WADIA iTransport 170を使う

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DSCF1048.jpgアップルのiPodが発売されたのは2001年暮れですが、当時アップルがここまで音楽業界に影響力を持つとは誰も思っていなかったでしょうね。

今では音楽をダウンロードして買うことは特別なことではないし、カー・オーディオにはiPodインタフェースが必須だし(僕はカー・ディーラーでは必ずiPod対応の可否を聞きますから)、オーディオ機器を見渡してもミニコンだけではなくピュア・オーディオ・メーカーがiPodに対応することはさして珍しいことではなくなりました。その扉を開いたのはご存じWADIAのiTransport 170です。

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それまでも存在していたiPodドック・インタフェースとiTransportが決定的に違うのは、従来のドックがデコードした後のアナログ信号を取り出していたのに対して、デジタル信号を出力することです。CDトランスポートと同じようにiTransportはその名の通りiPodをソースとするトランスポートに徹して、D/A変換は後段に接続するDACに任せることになります。

さらに最近のiPodはHDDではなく写真のiPod touchの様にSSDが主流ですから、回転部分を一切持たないデジタル・トランスポートが安価に手に入ってしまいます(6万円くらいで買えますから)。

DSCF1050.jpg
というわけで、ピュア・オーディオ用のDACを持っていない僕は写真のようにAVアンプのヤマハDSP-AX4600に接続してみました。ついでに同じAVアンプに接続したCDプレーヤーと比較してみようと思います。お相手はi.LINKで接続しているデノンDVD-A1XVAです。

僕の場合、手持ちのCDのほとんどをApple Losslessでエンコードしてあるのでファイル形式はこれをそのまま使っています。

ちなみに普段持ち歩いているiPhoneをiTransportに接続すると認証時に「iPhoneはこのアクセサリに対応していません」というメッセージが出ますが、機内モードにすると動作します(保証されているかどうか分からないのでat your own riskで)。

DSCF1047.jpg
まずCDをデノンで鳴らしてみます。うん、聞き慣れた音です。耳を慣れさせたところでやおらiTransportに切り替えてみます。

ジャンジャン、タリラリ〜

あら?なんだか薄っぺらいですか?確かにCDよりも解像度感が高くて一枚ベールをはいだように元気でフレッシュな音ですけど、CDのほうがコクというか彫りの深さのようなものを感じます。iTransportの方がピアノのきらびやかなコロコロした音色が聞こえてくるのですが、なんだか聞き疲れするというかCDの方がゆったりと心穏やかに聞くことが出来ます。ウッド・ベースの安定感、安心感もCDの方が好みです。デノンのプレーヤーの音に慣れ親しんでいるからかもしれませんし、純粋な信号であればあるほど心地よいとは限らない、ということなのかもしれません。でも音の善し悪し、好き嫌いは別としても、そのくらい音調が違うのは確かです。所詮CDからのリッピング音源なのでブレイク・スルーというよりは「再生手段のバリエーションの新たな1ページ」という位の感じで捉えています(LINN DSで聴く192kHzサンプリング音源の空気感はCDを遙か彼方に置いてきぼりにすると思いますが)。

AVアンプ内蔵のDACなんかじゃなく高級な単体DACだとまた違うんじゃないかとも思いますが、ちまたで評判がいいDACってかなり高価ですから。10万円もしないiPod + iTransportのために100万円もするDACを買うのもなんだか変な話ですからね(絶対、そういう人っていると思いますけど)。

WADIAはiTransportに合わせたDACを発表していますからそれの発売を待つことにしましょう。価格的なバランスを考えると一桁万円の中程でしょうし、iTransport用にチューニングされているはずですから音質的にも熟成されているんじゃないかと期待しています。



これだけではちょっと悔しいのでついでに一つ実験してみました。

世間には圧縮音源を嫌って非圧縮でなければ原音のクオリティを保証できないという人もいます。ロスレス圧縮はその名の通りデコードすると厳密に原データと同じ出力が得られます。すなわち原理的にはデコード後は非圧縮のPCMと全く同じ状態であることが保証されます。

ところが現実にはロスレス圧縮をデコードするときにはCPUによる処理が行われるわけで、デジタル・ノイズを発生する可能性は大いにあります。今回のケースでもiPodがALACをデコードして非圧縮PCMをiTransoprtに出力しているわけで、特にiPodのように非力なデバイスがデコードする場合、めいっぱいパワーを使い切ることでより大きなノイズを発生する、という可能性は少なくありませんし、たぶんノイズを発生していると思います。

そこで同じ曲をALAC(ロスレス圧縮)とAIFF(非圧縮)でエンコードして、両方をiPodに入れて聞き比べです。

.........う〜む.........

何十回も聞き比べてみると確かに違うような(^^ゞ でも僕の能力ではほとんど区別できないですし、ブラインドだったら絶対に判らないです(妙な自信)。

というわけで、より容量を食ってしまう非圧縮フォーマットを使ったとしても僕の場合にはあまり御利益がないので、普段使っているALACのままでめでたしめでたし、と。



その他にiTransportのクオリティ・アップには電源の強化ぐらいかなぁ、と思っていたところMusic TO GO!さんに興味深い記事が。なんでもアメリカにはiTransportのmod(改造)屋さんがいくつもあるそうで。電源の強化はもちろん、DACの搭載やなんとクロック・ジェネレーターの置き換えまで。確かに「カローラにツイン・ターボをつけてブースト・アップ」するような本末転倒なところもなきにしもあらずですが、法外な投資をしてもiTransportの限界を打ち破ることに情熱を傾ける人っているんでしょうね。

いずれにしても後数年たってノウハウもたまり、技術も熟成されてくると、デジタル・オーディオのクオリティ・レベルを大きく塗り替えるポテンシャルはひしひしと感じます。

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このページは、Kayが2009年4月25日 20:00に書いたブログ記事です。

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